自由度の高い市場を創出するには健全性を担保する規制枠組みやユースケースの創出が重要です。

 

国家の成長戦略に基づいたデジタル人材の育成や産業投資によって、技術的進化を促進させる取り組みは、特に中国で盛んに行われており、ブロックチェーン技術の社会実装を目指した「暗号法」の施行によって、各省でデジタルインフラ開発にむけた政策が相次いで発表されています。

 

中国・浙江省では、「浙江省における新しいインフラ建設のための3年間の行動計画（浙江省新型基础设施建设三年行动计划）」の中で、杭州を「中国におけるブロックチェーンの首都（中国区块链之都 ）」とすることを明らかにしています。

 

北京、上海、深センとともに、「中国のトップ4ブロックチェーンイノベーション都市」として知られる杭州には、多くの優秀なブロックチェーン開発企業や数百億規模ののブロックチェーンベンチャーキャピタルファンドが集い、政策による支援も活発です。

 

杭州では、ブロックチェーン、デジタル通貨、ビッグデータといった分野での優れたプロジェクトに対する助成金制度が確立されており、研究開発に多くの資金を投じることで人々を「書面でのやり取り（纸上谈兵）」から解放し、杭州のブロックチェーンの繁栄をさらに促進するとしています。

 

政策支援、有望な人材への投資によって、杭州は中国のブロックチェーン市場で重要な地位を占め、常に最前線に立ってきました。

 

「IoTデバイスによる独自ネットワークの形成/機械学習を通じたリソースの効果的な割り当て/ネットワーク組織の形成と都市における課題の解決」といったように、高度なデータ駆動社会の実現に向けては、ビッグデータ、人工知能、5G、ブロックチェーンなど関連する技術を組み合わせた「分散型インテリジェントネットワーク」の構築が必要です。

 

・ブロックチェーンモジュールとIoTの統合
・ブロックチェーンによるAIoTやTEEなどのテクノロジーの統合
・分散インテリジェンスを備えたIoTネットワークの構築

 

中国では上記のようにブロックチェーン技術の利活用が行われており、スマートシティのおけるデジタルガバナンスを担う社会インフラとしても普及が見込まれています。

 

このように中国では規制枠組みを設けることで、技術的進化によるユースケースの創出を促進する取り組みが行われており、日本においても迅速な規制枠組みの整備とともに、様々な最先端技術の応用を実現する自由度の高い市場形成が国際競争力の向上に向けては急務であると言えます。